「めーちゃんて、りりーさんとどれくらいの付き合いなんですか?」





部屋に戻って、順番にお風呂に入っている途中。



りりが入浴中の二人きりのリビングで、光輝少年は突然そんなことを訊ねてきた。




「生まれた時からずっと一緒」

「二十年以上ですか、すごーいっ」



普通に考えればすごいか。



あんまりうれしくないけど。



「じゃあ、りりーさんとずっと付き合ってるんですか?」


「付き合うって…まあ、大学で別れるまではずっと一緒だよ」



光輝君はふうんと呟くと、手の中で携帯をもてあそぶ。


光輝君の携帯は、私が気づいている範囲内では活躍を一度も果たしていない。メールも着信もない。



ただの、黒い電子機器。





「二十年もずっとりりーさんの王子様だったんですね」









…ぇ。