朝起きたら、りりがいなくなっていた。




書置きで、彼氏と話してきますと書いてあったので行先はわかったが。





とりあえず昨日と同じく抱き着いてきた光輝少年をひっぺ返し、朝食をとりながら本日の時間割は空白になっているのを思い出す。





週の後半金曜日。

所属する学部の教授陣はほぼ講義をいれないので、今期の私の週後半は木曜を乗り越えれば三連休だ。





ということで。





「さて、光輝君」


「何めーちゃん」


「今日は私、一日暇なんだ」



「えーいいですね。僕も休みです」



またいけしゃあしゃあとおっしゃるな、光輝少年。


そんな何日も休みにする高校は、ありえないだろう。




「少しお姉さんとお話ししてみない?」


「いいですよ」



さらりと返ってくる返事に、少し嫌なものを感じた。


本当のことを言う気だったら、こんな軽い返事はしないだろう。これからしようと思う話は、常識的に考えて人に触れられて気分のいい部類ではないのだから。


つまり光輝少年は、本当のことをさらさらいうつもりはないということだ。





年上を完全になめている。



少しだけ息を吐いて、質問する。