わーわーぎゃーぎゃー騒いだ末にりりは眠りについた。



とりあえず床に転がったまま放置なのはあれなので、毛布をかけておく。



「さて…」




そして惨状の現場を見て、重く息を吐く。


何があったらこんなに片付いていた部屋を荒すことができるのか。



テーブルの上、周り。全てゴミカスだらけだ。



「めーちゃん、僕片付け手伝いますよ」


「当たり前でしょうが」



君、荒しといて片付けしなくてオーケーだと思ったら大間違いだよ。



なんかりりは運よく逃れてるけどさ。




よく考えれば、りりは大体いつもこうだ。

何か気づくとうまく後始末は人の押し付けて、気づいたら主人公になっている様な女だ。


そう、命名するならば主人公系女子。


このタイプには二種類いて、自覚ありのタイプと自覚なしのタイプがある。

自覚あるタイプは、何だかんだ自分が主人公に慣れないと不機嫌になり、なぜか機嫌を取ってやらないといけないと面倒くさいからとかいろんな理由で周りにお膳立てされ、主人公になる。そして主人公になれば、大体問題ないのでオーケイだ。

一番質が悪いのが自覚なしタイプ。気づけばどんな時でも主人公になっているのがこの手のタイプの女で、自分で主人公になるようしているようなこともあるしない時もあるが、本気で自覚がないから質が悪い。言うまでもなくりりもこのタイプだ。…いや、半分か四分の一くらい自覚はあるかもしれないか。



そしてどっちの場合も、たいてい一人っ子か末っ子女子に見られる性格だ。



「じゃあ、さしずめめーちゃんは切ない系女子ですね」

「…ぇ」