「はー「め~~~~~~ちゃんっ、ひさしぶりぃ」



むぎゅ。




扉を開けるや否や、人の挨拶などきかずに柔らかいものが私を包む。

肩先にやたらと顔を擦り付けてくる。



ああ、この仕草。
三年ぶりだよ。



「うわあ~めーちゃんだああっ」

「暑苦しい。離れてよ」

「やーだーっ」


ぎゅうぎゅう。



ああ。
女なのにこの力。
やっぱり、我が幼馴染市川李莉(いちかわ りり)だ。



「もう。りり、玄関先にいつまでいても仕方ないでしょ」

「もうちょっと~」

「ラブラブだね」

「いや、違うか、ら……」



ん?



なんか急に男の子の声がした。



目を李莉の後ろに向けると、男の子が立っていた。