「めーちゃん、早く早くっ」


「はいはい」



そしてなぜか、最寄駅から二駅。


この辺では都会の駅でおり、駅と直接つながるショッピングセンターで楽しくうきうきウインドウショッピングとしけこんでいる。
おかしいな、平日なのに。


思わず首も捻る。

そのまま頭を抱えていると、いきなり目の前に可愛らしいウサギが出現した。



「わっ」


「かわいいでしょ、めーちゃん」



犯人はにっこりと笑って見せる。



「白ウサギです。りりーさんのお土産にしましょう」



言いながら、手のひらに乗せられるウサギ。

真っ白いウサギは紺色のチョッキを着ていて、耳の一本はぴしっと立っていて、もう片方は途中で折れて花飾りがとめてあった。



「…自分で買うの?」



私がきくと、少年は煌びやかな笑顔とともに、私の腕を引っ掴んだ。


おい。



「一文無しなんでめーちゃんが僕の財布です」


「笑顔で言うな」



そして笑えないから、それ。