「ちょ、光輝君――」


「めーちゃん、お腹すいてますよね?どうする?まずはランチ?」


「だからきいてって」


「大学の傍、やたらラーメン屋多いなあ。どこおすすめですか?」


「え、それなら――」








というわけで。




気づけばすっかり光輝君のペースに巻き込まれ、大学生たちに人気の安価で大盛りラーメンが食べられ、かつ種類も豊富な人気のラーメン屋のカウンターで、並んで魚介スープが美味しいラーメンをすするという事態に陥っていた。



「おいしー」



なんて呑気にスープをすする光輝少年。
ああ、この気軽さ。若さの力だ。
まあ実際ここのラーメンは、どれ選んでもマジ上手いんだけどさ。



それにしても、どうするか。

この少年、放置はいけないだろ。何してるのだ、りりは。




……あ、そうだ。私が彼氏と連絡つけろといったのだった。

なんだ、初っ端から選択ミスか。救いようがなさすぎる、自分。



あまりの絶望感に、頭からラーメンの器に飛び込みたくなる衝動に襲われた。