「お風呂空いてるけど、入る?」


きいてみたけれど、返事はなくぼんやりしている少年。


ぼーっとしたまま動かない光輝君の顔を覗き込んでみれば、焦点が合っているような会っていないような微妙な顔をしていた。


朝が弱いにも、やばいだろう。



「光輝君、ちゃんと――」




言い切る前に、なぜか抱きつかれた。











て、は!?









「は、え、なに!?」


「ん~…ねむい…」


「ちょっ」


「あ、光輝君ね、朝すっごい弱くて甘えたさんだから気を付けてね。りりーも彼氏に誤解されちゃったの」



ドライヤーで髪を乾かしながらそんなことを今更言ってくれる、りり。



先に言え…っ!




とりあえず光輝少年は鉄拳制裁で叩き起こした。