「お風呂。あんたたち、昨日はどうしたの?」


「めーちゃん寝ちゃったら眠くなって、寝たー」



くにゃりと笑う顔は、きっとほとんどの男を悩殺する力があるだろう。


でも、私は付き合いの長い幼馴染なので、その破壊力の効果はいまいちだ。

ただ、朝なので地味に手痛い程度には、心の何かが傷を負った。無意識に攻撃していることに、きっとりりは気づいていないだろう。そして一生気づかないだろう。ああ、たちが悪い。



「じゃあ、私お風呂行ってくるから。なんか飲みたかったら、勝手に飲んで」


「りりーも一緒に入る~」


「はあ!?狭いから、無理」


「光輝君も一緒に入る~」


「こらっ!問題発言すんなっ」



そして集合住宅内で怒らせる発言するなっ。






しかしながら、朝の攻防は結局りりが勝利した。





「わーめーちゃん、変わらないね。超スレンダー」


「ちょ、どこ触ってんのっ。や、くすぐったっ」


「ちゃんと食べてるの~?腰もすごく骨々してたんだよ」


「何その造語!?」


ちょっかいかけられながら狭いシャワールームを共用すれば、朝から色々と消耗した。