「ていうかどう考えたって、まずは親御さんと話し合わせるのが最善でしょっ」



私がそういうと、二人は顔を見合わせる。



あ、という空気になった。



わかる。
こういうことが時々ある。


たとえば盛り上がってるとき。

私が言った一言で、空気が止まることがある。
そういう時、しまったって思う。ちゃんとわかる。


だけど、どの一言がきっかけになるのか、自分でもいうまでわからない。



わかってて、やったりはできない。



「そりゃあ、そうだけどさ」


罰が悪そうに李莉がいう。


「捨てるとか、しちゃうんだよ。少し時間、ほしいと思うよ。この子も、お母さんの方も」

「……」

「だからその間だけさ、一緒に面倒見ようよ。私もなるべく彼氏と話して、誤解とくからさ。そしたら、向こうに帰るし」

「…」


「お願い、めーちゃん」



ああ、どうしてだろう。



私はこの一言に、いつだって逆らえない。