「李莉」


私は李莉の腕をつかみ、引き寄せる。


それから、私の自慢でもある長身を生かし、上から見下ろしてやる。



「何言ってるのかな、李莉?」

「えー?だから、李莉とめーちゃんで面倒みてあげる、て話」

「待て待て待て。私の意志はどこにいったわけ?」

「だってめーちゃん、困った人放っておけないでしょ?」



それ違うから。

困った時のあんた限定で、面倒みさせられてるだけ。しかもなんか、気づいたらみちゃってるだけ。


「そういう問題じゃないでしょ。よく見なさい、この子未成年でしょうが」

「そうだね。保護してあげないと!大人の私たちがっ」

「自分の面倒見れるようになってからにしなさい、自宅暮らし」

「私今自宅暮らしじゃないよ?」



え。



「何それ?きいてない」

「あれ、言ってなかったっけ?今ね、彼氏の家で同棲中(はあと)」

「…あ、そう。じゃあ、彼氏のとこで引き取ってよ」

「無理」

「何で?」


そこでなんか不吉にもさわやかな笑顔を浮かべる、李莉。