キンコンカンコーン

「ねえねえ、しほーさっき大丈夫だった?」

声をかけてくれたのは後ろの席の彩菜だった。

「うん、もう大丈夫だよ!元気すぎるくらい!!」

ほんとはそんな元気より不安の方が大きかった。

「そお?それならいーけど…。あ!ねえ、さっきすごかったんだよ!」

心配そうに顔を覗いていた彩菜がいきなり満面の笑みで話し始めた。

「さっきって?」

あまりにも唐突すぎてなんのことかさっぱり…

「あのね!さっきしほが倒れたときに相馬くんがすごい勢いで助けに行ってたの!もーすごかったよ!」

さっき先生が言ってたこと…

相馬くんとはあまりしゃべったこともないのになんで?

まさか、ほんとに相馬くんは私のことが好き?

そんなわけ…

「それからね!」

それから?まだ続きがあるの?

「さっき相馬くんがはっきりと俺はしほが好きだからこんなに慌ててるんだ!悪いか?って言ってたんだよー❤で、しほはどーするの??」

え?えっとー…

「そのときってなあちゃんもいた…?」

「なあちゃん?あー中田さんね。いたけど、なんで?」

いた…んだ……

「ちょっと…ね」

なあちゃんどー思ったかな…

怖い…どーしよう…………

「しほちゃーん!さっき大丈夫だった??」

さっきまで無視していたなあちゃんが声を掛けてきた。

「え、ちょっまって。さっきまで無視…してなかった?」

「なんのこと?しほちゃん頭でも打っちゃった??」

あれ?じゃあ、さっきのってやっぱり勘違いだったのかな?

そう思って今日はなあちゃんといつもどうりに接した。