若葉が去った後のオーナー室では……




未だに華は混乱状態だった。




柚「…驚いたろ?」



華「オーナーはご存知だったんですか?」



柚「まぁな。
そもそも俺がスカウトしたし。」



華「っ…やっぱりスカウトされて調子に乗ってここへ来ただけなんじゃないですか?」



柚「…それは違う。」




柚留は真剣な目で華を見つめながら若葉の事を話し始めた。







柚「…あいつ、虐待されてたんだ。
今でもそれはトラウマとして残ってあいつをいつも苦しめている。


店で倒れてから少しの間、あいつ休んでた時あったろ?
あれ…入院してたんだ。
まぁそん時に詳しく聞いたんだけどな。
それまではかるーくしか知らなかったし。」



華「入院…?」



柚「父親に殴られて心も体もボロボロだった。
…それでもここに働きに来たんだ。
家族を捨てた父親の借金を返すためにな。









華…お前と同じだ。」





華の目には涙がたまっていた。
今にも泣き出しそうな感じだ…。




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