「生まれたときから…私の親は私を人間として見てくれなかった。
母は父が大好きで私をほったらかし。
父は大企業の社長で色々ストレスがたまっていて私を玩具扱い。

…母もいつの間にか父に便乗して私を殴ったり閉じ込めたりした。



それでも耐え続けた。
そこでしか生きていけないから…。



そしてある日…事業に失敗して大量の借金を残して父は消えた。
母は父がいなくなり男遊びにはしった。
金もないくせに遊びまくり、借金は増える一方。


…私は高校へ行くのを諦め、働く事にしたの。
でもどこも雇ってくれなかった。
そんなときに柚にスカウトされたんだ。
キャバクラで働いたら借金を返す事は可能だし、頑張れば頑張る分だけ収入が増える。


未成年ってことを了承してもらって私は夜の世界へ足を踏み入れた。
……でも体は絶対許さないことにした。
それだけは…本当に自分が好きになった相手としかしないって……。



…そんな時に父が帰って来た。
お金を貸せと言ってきたけど、もちろん拒否した。
そしたら殴られてお金を持って出て行った。


その繰り返し。」



話している間、ずっと手を繋いでくれていた。
そして強く握り締めてくれていた。

私はそっと育斗の顔を見た。




「…あなたに解決出来る事ではないですよ?
これは私の家族の問題なんです。」



育「……俺に出来ない事があるとでも思ってんのか?
そんなもんどうとでも出来るぞ?


退院したら若葉の家に行く。
んで俺がお前の父親を追い出してやる。」




は……?



「何言ってるんですか?
そんなの無理に決まって…」



育「俺はやくざの組長だぞ?」





あ……忘れてました。
でも人に解決してもらうのもどうかと思うのは私だけ?





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