こんなイケメンでも振られることあるんだ…
なんて呑気に考えてしまった私は
また今にも泣いちゃいそうな琉志先輩を見て言葉を探す。
でも、かける言葉が見つからない私に
「女に振られて泣くとか、女々しいよな」
そう呟いた。
その姿があまりにもカッコよくて。
「女々しくないです!そこまで、好きな人に一途になれるなんて…格好良いです!」
私は、大きな声でそう叫んでた。
「私なんて、彼氏からこれっぽちも愛されてないから…」
そう、愛なんて感じない。
ただ、凌が私と別れることを嫌がるのは
都合のいい女がいなくなるから。
「君、もしかしてその傷…彼氏が?」
琉志先輩が私の顔を覗き込む。
「ええ…まあ」
あまり、見ないでほしい。
この醜い顔を…。
「君は…彼氏と別れたいの??」
「えっ?」
何故、琉志先輩はこんな事を聞くのだろう。
「どうなの???」
しつこく聞いてくる琉志先輩。
「ものすごく…別れたいです。」
「それじゃあ…」
「でも、別れようって言ったら、本気で殺されます」
この言葉に冗談は一つもない。
本当に、凌だったら、やりかねない。