そんなラブラブな生活が一変したのは、

付き合って2ヶ月が経った頃。

今でも忘れられない、私が受験を控えた1月だった。

「有田。お前、もっと頑張らないと、もしかしたら志望校危ないぞ!」

「マジですか…。」

先生に職員室に呼び出されて言われた一言。

私は、どうしても凪沢高校の制服を着たくて
必死に勉強を頑張っていた。

だから、そう言われてもっと勉強しなきゃって思ったんだ。

でも、私のこの考えが悪魔の生活への始まりだった。


凌はいつも私の送り迎えをしてくれてた。

学校に行く時は、私の家の近くのコンビニで待ち合わせをして

学校から帰る時は、学校の近くの公園で待ち合わせをした。

毎日、送り迎えをしてくれる凌の優しさが
私にはすごく嬉しかった。

でも、私はもっと勉強しなきゃいけなかったから。

その日の放課後、凌に

「凌、これからは送り迎えしなくていいよ」

って言ったんだ。

それは、もちろん送り迎えがイヤって意味じゃなくて
凌に迷惑をかけたくなかったから。

私は、今よりも早く学校に行って
今よりも遅く学校に残って勉強しよう!と思っていたから。

そういう意味で言ったのに。

凌には、私の思いが上手く届かなかったんだ…。

“ドンッーー”

公園に、鈍い音が鳴り響く。

凌が私を殴った音…。

凌は、私の顔をグーで殴った。