そんな私を優しく撫でてくれる琉志先輩。

先輩は、私を苦しい恋から…闇から救ってくれた。

今度は、私が先輩を救う番だよ。

「先輩!」

急に、顔を上げた私に驚いたけど、すぐに優しい表情に戻った琉志先輩。

「何?」

「私、先輩の最高の彼女になります!」

何故か宣言しちゃった私。

「そして、優さんのこと忘れさせてあげます!」

自分でも変なことを言ってるのは分かってる。

「はははははっ。面白いね栄菜。じゃあ…よろしく!」

琉志先輩が差し出した手。

迷うことなくその手を握り返す。

琉志先輩と視線が合って、私たちは自然にキスをしていた。

誰もいない部室。

そこでキスをする二人。

周りから見たらただの恋人にしか見えない二人。

だけど、好き同士ではない私たち。

何故、キスしたのかは分からないけど、琉志先輩とならしたいと思った。

私は少なくとも、琉志先輩を男として見ていたのだろう。

お互いに好きになってから付き合ったわけじゃない。

だけど、始まりなんてどうでもいいんだ。

これから…。

これから、私が琉志先輩を助けるんだ。


…私たちは、恋人になった。