あれから1週間が経った。
琉志先輩とはあれ以来廊下ですれ違うぐらい…。

でも、これといって喋ることもなくて…。

いつもと変わらない日々。

凌とは未だに付き合ってるし、殴られる。

琉志先輩が言ったことはやっぱりウソだったんだ…。

ちょっとでも信じちゃった自分が恥ずかしくなった。


そんなある日…
4時間目が終わって、さあお弁当を食べようって時…

「栄菜!!」

「何~??」

仲のいい麻也(マヤ)が興奮気味に教室のドアから私を呼んだ。

「せ、せん、先輩が呼んでる~!!」

…先輩?

「先輩って…?」

女の先輩に仲いい人いたっけ?

しかも、さっきから教室のドアが騒がしい。
クラスの女の子がみんなドアの周りにいる。

私、そんな有名な先輩に知り合いいないよ…?

「琉志先輩が呼んでるよ!!!」

ルイシセンパイ…

嘘…。

「栄菜なにしてんの?先輩が呼んでるって!」

驚きすぎてその場から動けない私。

そんな私の腕を引っ張って麻也が私をドアまで連れて行く。

「先輩!連れてきました!」

すごく嬉しそうに、琉志先輩に話しかける麻也。