「泣かないでよ・・・加奈。」
ふわっと頭を撫でるそのしぐさが優しくて・・・。
『ふぇ・・・。』
余計に涙があふれる。
「私、”友達”に泣かれるのは嫌なんだけどな?しかも、自分のせいで。」
『さ・・・さゆ・・・り。』
「避けてごめんね。理由知ってたのに。」
『ふぇ・・・小百合っっ。』
しゃがみこんでしまってる私を抱きしめようと手を回そうとした瞬間。
「これ、俺のだから。」
私の腰に回った手。
『・・・ユウ。』
「ん?」
『一回・・・一回だけ、病院送りにしても良い?』
「断る。」
『・・・滅びろッ!!』
「きゃーーっ!」
『女じゃないんだから、そういう叫び声あげないでよっ!?』
「じゃぁ、加奈があげてみるぅ?」
『・・・絶対、二回は殴る。』
私達がこんな会話をしている間でさえ、生徒達・・・ううん、みんなは笑っていて、それだけで幸せだった。