ざわっ
「あの人すご・・・。」
「転校生らしいよ。だから、知らないんじゃない?」
「この前、姫様抱っこしてたのみた!!」
二人で学校に入るとざわめく生徒達。
そりゃ、そっか・・・。
私、いつも一人だし。
『や・・・やっぱ』
声かけないでねって言おうとすると、ユウが声をかぶせた。
「やだよ?学校で、声かけんなってゆうのは。」
『え?』
ふっと口角をあげてそういうユウ。
なんで、こいつわかったの!?
「どうせ、そういうつもりだったんだろ?」
『んなわけ!!』
こいつに気なんか遣わなきゃよかったっ!
拳を握り、ユウに殴りかかろうとする。
それをひょいっと交わして
「俺、加奈のこと好きだしねー。」
にやっと笑い、そういった。
『!?///』
「あ、真っ赤。」
『う・・・うるさいっ!馬鹿ユウ!!』
「かわいー!」
『い・・・。一発殴らせろ、ユウ!!』
ぎゃーぎゃーと、さわいでいると、ざわざわしていた生徒達の雰囲気が和らいだ気がして生徒達のほうを見る。
「加奈。」
『え・・・?』
女の子・・・ううん、生徒達にそう呼ばれたのは久しぶりで、涙がこぼれたのが分かった。