俯く。
床に落ちた資料を蓮が拾い上げる。静かに私にそれらを持たせた。
中学生のときにも味わった、この孤独感。
進路に悩まされたあのときと、同じ孤独感が自分に襲い掛かる。
それが嫌で逃げるように窓の外を見遣った。
部活動に明け暮れる生徒を見ていると、すこしだけ羨ましく思った。…良いな。あんなふうに何かに夢中になれて。
ゆるゆると手元に戻ってきた大学のパンフレットに視線を戻す。
どの大学も良いと思ったし、どの大学も嫌だと思った。
でもこのままじゃいけないことはわかってる。
中学の時みたいに、【なにも考えないで】【周りに流されて】、進学を選ぶのは、いけないんだ。
それはきっと恥ずべき選択だ。それは、選んじゃいけない。