「嫌だ」
「本当、わけわかんないよ」
なにもかもが。
蓮は相変わらのずつまらなそうな顔で、あたしの机に広げられた資料を見ていた。
「…やりたいこと、まだ決まんないの?」
「…」
高校三年生。いつまでも遊んでいられるわけじゃない。
この時期に入ると担任との進路についての対談が始まる。そこで自分の進む道を決めなくちゃならないわけなんだけど、
「わかんないんだよ、あたし、どうしたいのか」
そこで、風が荒々しく吹いたかと思ったら、
ばさばさと音をたてて資料が踊るように床へ落ちていった。
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