その後、キスをした。

目が合ったからキスをして、そのままベッドに倒れこんだ。

なんつーか、自然だった。自分がそういうことに慣れていないのを忘れるくらい、自然だった。


一度シーツに埋まってしまえば、彼女はもう、スカートのひだのことなんか気にしなかった。

ベッドの上で火照った肌を無防備にさらした姿は、学校の女子たちとはまるで別物で。

キッチリと制服を着て、女子だけで集まって。決して男子は踏み入れない、そんな空間は、どこにもなくて。


「…っぁ、だめって…」


クスクス、とくすぐったがるような、笑い声。

シーツのシワが、人の形をかたどっている。二人分の重み。だから、より深く、濃く刻まれる。

押さえつけた、手首。思ったより固い、けれど、生ぬるい。

血管が通っている手首。生きている、手首。

白くはなかった。その皮膚は、夏の日差しに焦がされて、健康的な色に染まっていた。


まだ明るい時間にカーテンを引いて、無理やり薄暗くした部屋の中。

正しいとか正しくないとか、そういうのじゃなかった。ただ、乱暴な感情が生まれた。興奮した。

現れる肌に。乱れた衣服に。人を組み敷くという、支配感に。

何もかもが、非日常の光景に。