「話は戻りますが、二人を亡くした後、私は孤独の砂漠で彷徨っていました」

「そのような状況では新たな友達は作れませんよね」

「はい。もう、別れが訪れるのも嫌でしたから」


じっと墓石に視線を這わせていた死神が、朱理へ目を向ける。

「失礼ですが、あなたはお友達がいなかったんですよね?」

「はい。人見知りが激しかったんです」

「それでは、あなたが最期を迎える時、どなたの顔を思い浮かべると考えられますか?」