涙を拭って
私は音をたてないように
教室を後にした。




女子トイレに入ると
珍しく誰もいなかった。

ガラスに映る醜い自分の顔。

総合失調症のせいで
眠れなく
ゲッソリと痩せほそり
目の下には
くまができている。
髪もあまり手入れしていないせいか痛んでいて、
肌も被害妄想のせいで
ボロボロだった。


私に比べれば
雅は肌も髪も綺麗で
目がぱっちりなうえ
鼻は高いし、
口も笑顔が大きい。

昔は
姉妹みたいだね、
ってよく言われてた。

性格は全然違ったけど
相性も良かった。

これまでにない親友。

私はそう思ってたけど
雅は違う。

こんなに醜い私だもの。

昔は親友だと思ってくれたかもしれないけど、
今は雅の事だから
同情で仲良くしてくれてるだけだ。