アタシの気持ちがはっきりしないまま高井さんの舞台の日
昨日の夜は眠れなかった
おかげで化粧のりも最悪で目も少し腫れてる
・・・もぉ
この日の為にがんばってきたのに。。
「沙希おはよ~」
「おはょー拓!なんか緊張するね」
拓が楽屋まで入れるようにしてくれたおかげで高井さんに会うのは簡単だった
「沙希ちゃん久しぶり。楽しんでいってね。最前列。。笑」
アタシの顔は真っ赤になる
「ゆう。そろそろ行くよ~」
共演女優がちらっとこっちを見て高井さんを連れていってしまった。
「沙希ちゃーん。どんまい」
たくぅ(泣)
「葵ちゃんも沙希ちゃんもそろそろ席に着こうか?最前列。爆」
「はぁーぃ」
葵も拓も普通だ
・・・ヨカッタ
さっきの女優さんの存在でまたアタシの勇気は無くなった
照明が落ち高井サンにスポットライトが当たる
アタシは息をする事も忘れるくらい見入った。
高井さん。。
カーテンコールまで高井さんから視線を外す事ができなかった
途中何回か目が合ったのは気のせいだったのかな
もう明るくなって周りは立ち始めてる
・・・動けない
「もう楽屋に行くのは迷惑だね」
アタシ達はそのまま劇場を後にした
「沙希ちゃん!」
高井さん。。。
「これ俺のメルアド。」
手が触れたとき胸の鼓動が激しくて高井さんに聞こえそうだった
「ありがとうございます」
それだけ言うのがやっとで言葉が続かない
拓と葵は大分先の歩道から手を振っていた