一回扉の前で深呼吸をし、3回ノックをすると、すぐカリレム様が出てきた。


家に入れていただくと、私は話を切り出した。



「カリレム様、あなたのお姉様は、あなたを殺そうとしています。私は、カリレム様を暗殺するために王宮から放たれた刺客です。
 ですが、私は王家の血を引く御二方を殺めたくはありません。
 私はあなたを守りに来ました。私を信じてください。」
「でも、俺は…。ミハリスを巻き込みたくない。」
「私は自らの意志でここに来ました。私はリリアス様を裏切りました。だから、私は最期まで自分の意志を貫き通します。」
「…ありがとう。」
「もうすぐ追手がここに来ます。逃げましょう。」
「わかった。今すぐ出…」