懐かしい王宮の中を、三人で駆け巡る。
すると、途中で、親しい顔を見掛けた。私はその子を引き留める。


「…ぅあっ。ミハリスさんっ!!」
「リユアス!! お久しぶりね。」
「な、何故ここに? ミハリスさんは、カリレムさんと…。」
「うん…。逃げてたんだけど、リリアス様に捕まってしまって。」
「大変ですね。ミハリスさんって、これからどうやって暮らしていくつもりですか?」
「私は…、一生カリレムさんの下で生きるよ。 リユアスは?」
「私はリリアス様が素敵な人だと思っています。なので、これからも、この方の下で働くことに誇りを持って、暮らしていくつもりです。」
「そっか…。…あ、リユアス、カリレムさん、何処にいるかわかる?」
「? なんか、異国の男の人だったら、裁判室に入っていきましたよ。」
「ありがと、リユアス。…トユイル、リハルサ、いくよ。」





もうリユアスに会うことは無いかもしれない。

自分の命が無くなっても、大切な人を守ろうとするこの心がある限り、絶対に長くは生きられない。