“聖なる夜”のこと。

私は、小屋の外で木々の間から星を見ているトユイルを見つけ、彼女の隣にそっと座った。




「…なんですか?」
「えー…っと、貴女にとってカリレム様はどんな存在なんですか?」
「どんな存在でもないですね。」
「貴女って、カリレム様専属の看護師でしたよね?」
「はい。それがなんですか?」
「看護師…だったら、カリレム様とあんなこととかこんなこととかし放題じゃないですか!!!」
「別に何の関係もないですよ。…何でそんな大きな声を。」
「私はっ…、カリレム様の護衛でいられることが幸せなんです。…何故かはわかりませんが。」
「何故ですか?」
「なっっっ!? わからないって言ってるじゃないですか!」
「私は、友情と金が目当てです。それが全てです。」
「え…。トユイル…もしかして。」
「私は貴女には絶対に素直になりたくありません。」


そう言い放つとトユイルは小屋の中に去っていった。