ついた所は、小さな町だった。
しかし、この町の皆が幸せそうな顔をしていることに私たちは気がつき、ここなら生きていける、と確信したのだった。
ミリタムはここにくるまでにすっかり私たちとなじみ、この町の話をいろいろとしてくれた。
ジュヴィナーリ共和国は、今から数年程前に起きた革命によって建設された国で、この国は少数民族のライム族によって成り立っている。
ミリタムはこの町でも一番のお金持ちで、旅人を次々とかくまいながら暮らしているらしい。
そんなミリタムの家は豪邸だった。今暮らしている旅人は一人らしい。
私はカリレム様に、少し相談をした。それは、今残っている財産についてだ。これから逃げまどっていくと、その分、金もなくなっていく。この平和な町で少しでも多く稼ぎたいものだ。…カリレム様のためにも。
私はミリタムに話を切り出した。ミリタムは少し考えた後、二つ返事で承諾してくれた。