あれから一週間ほどたったある日の夜。
これからの予定をたてていた私達のもとに、必死の形相でユノラスが走ってきた。
「カリレムさん、ミハリスさん!!」
「ユノラス…! どうしたの???」
「この町にもメロディアム帝国の使者がやってきました。これ以上ここにいることは危険だと思われます。今から知り合いを紹介しますので、…っっっと、早く逃げてください。でないと御二人の命が…っっっ。」
「カリレム様。」
「了解。」
「…っと、この方はミリタム、といいます。ここから200㎞程離れた所にある、ジュヴィナーリ共和国に住んでいます。偶然にも、この町に少し用があったらしく…。
…あ、このマントをはおって彼の馬車に乗ってください。
御二人のご幸運をお祈りしています。」
「ユノラス…、本当に今までありがとう。さようなら。」
短い間だったがかくまってくれた心友と別れ、私はカリレム様と、ミリタムという少年の馬車に揺られていた。