目が覚めたのは朝だった。



起きるとそこは、誰かの家だった。
綺麗に整頓された棚に、清潔感のある部屋。しかも、私の怪我まで白い包帯に巻かれている。





「目が覚めましたか?」


そう声をかけてきたのは、長くてさらさらした美しい髪をサイドで一つに束ねた、笑顔が可愛い少女だった。




「私はユノラス、といいます。ここは私の家です。具合はどうですか?」
「ありがとう…。あの、カリレム様は…。」
「あぁ、あの男の人ですか。それだったらまだ寝ています。」
「そうですか。…よいしょ。」


立とうとすると、ユノラスに止められた。

「傷口が開くので、ここ二、三日はしばらく安静にしていてください。」
「でも、私たちは…。」
「全部カリレムさんから伺いました。私がかくまって差し上げます。どうかごゆるりとなさってください。」
「ユノラス…さん、ありがとう…。」
「…敬語はやめてくださいっっっ。」