いつの間にか、そこは隣町である、ドルチェバースだった。




私はズボンのポケットの中に手を入れ、ある袋を手に取った。

それは、王宮から出てくる時に、咄嗟に入れてきた、私の全財産だった。
その中には、一人暮らしの中高生が三年間生きていけるくらいの金が入っていた。



私はそれをカリレム様に渡し、何処かでかくまってくれる人を探すことにした。









カリレム様が役場で手続きをしている間、私は役場から数m離れたところで、じっと待っていた。


やがて、目の前が歪み、私は意識をなくしていた。