まあうちのクラスの女子には今の所ビジュアル的な部分が足りないのは確かだ。

俺も一応男をやっているからには、女に興味がないわけではない。
「そいつって可愛いのか?」

「わかんね、写真とか見たわけじゃないからな…、たださ、年末のこの時期に転校ってめっちゃミステリアスやん!、これは期待していいんじゃないか!」

こいつの話の基準が微妙にズレてるのは前からだが、少し哀れみの眼をしながら見てやるか。

「それより、遅れるから俺は先に行くぞ!」

「え、まじかい、俺は遅刻なんてどうってことないからゆっくり行くわ!」

谷村を置いて走りはじめる。

あいにく俺は遅刻を何とも思わない程無神経じゃないしな。

それにしても谷村じゃないが確かにこの時期に転校ってのは不自然である事は確かだな。
そんな事を思いながら学校に向かった。