津波は行き場を求めて岸壁に叩きつけられるが港を襲う事はない。
その状況を達観した面持ちで見ていた老人は、また少年を見て最後に言葉を紡ぐ。

「君は、今は生きろ…」
紡がれた言葉は少年の脳裏に焼き付き、それから老人はただゆっくりとその場を去っていった。