どうして、ヒナが…ここにいるんだ。


久し振りに近くでヒナを見ると、体と頭が完全にフリーズ状態になった。


「あの……」


「あっ、倉石先生なら部活に行ったけど」


質問を受けてから、答えるまで…かなり時間がかかってしまった。


「そうですか。じゃあ、いいです」


俺と普通の会話をして、ヒナは さっさと帰ろうとする。


その後ろ姿を見ていると…思わず


「あっ…」


声がもれてしまった。


「…え」


その声にビックリしたヒナが、こっちをもう1度振り返ってくれた。


でも、余裕がない俺はすぐに訂正してしまう。


「わりい。なんでもないから」


「……そうですか」


ヒナが他の生徒と同じように、俺に敬語をつかい


あまりにもフツーに喋るから、それがすごく寂しく感じた。


自分が望んだ結果どおり…ホントに終わったのかもしれない。


それをようやく実感した。