[ ダイ:side ]
「おはようございます」
朝のホームルーム。
今日も倉石先生の隣に立ち、朝の挨拶をした。
倉石先生に背中を押されてから、俺はずっと自分の気持ちと向き合っている。
気が付くと、実習期間も残り…後4日。
今も変わらず、俺の心の中にあるのは1番後ろの席に座っている…
ヒナが好きだって想いだけ──・・・
この気持ちをどうしたらいいのか?
まだ答えを見つけられずにいた。
4日後には…俺はこの学校からいなくなる。
このまま何事もなかったように去る方が、ヒナにとってはいいんじゃないか?
でも、ずっと自分の気持ちを胸に閉まっておくのは苦しすぎる。
ただ『ヒナのことが好きだ』って伝えれば…いいだけかもしれないけど
今は…それがこんなに難しいなんて知らなかった。
子供の頃は、なにも考えずに口にできた言葉。
『ぼく…ヒナのことが大好きだよ』
あれが、俺の生まれてはじめての告白だった。