悠希がこっちを向いた?

私はドアのほうを向いてしまっていたから、顔が見えないけど。


足音が近付いてくる。

ドキドキ…

隣りに来た人を見たら、宮下くんだった。


「俺は戻るから、話したら?用があって来たんだろ?じゃあな~」

宮下くんは屋上から出て行った。


「俺も戻るかな」

悠希が立って、歩き出した。


えっ?

戻る?


呆然と立つ私の横を通り過ぎた。


「ま、待って!」

お弁当を両手で抱えた。


悠希が振り返った。


「ここでお弁当を食べてもいいかな?」