ここにいてはまずい。


教室に戻ろうとドアのほうを向いた。


「朋花はかわいいよ」

吉永くんの声が聞こえて、2人のほうを振り返った。


宮下くんがニヤニヤしながら、こっちを見ている。


「ふ~ん、かわいいって好きってこと?」

いや~!何を聞くの!?


「好きかどうかは分からない」

「分からないね~。今さ、悠希の一番近くにいる女の子って綿谷じゃないの?何で?」

「何で?何でだ?」


自分の話題は聞けば聞くほど、恥ずかしくなる。

ここにいるのが限界で…もう一度ドアのほうを向いた。


「じゃあさ~、綿谷と話してみたら?綿谷、来いよ」

「え?」