私は熱くなっているというのに、悠希は涼しい顔して前を向いた。


はあ~

思わずため息が出た。


「吉永の隣り、どう?」

いつもの4人でお弁当を食べながら、美帆が聞いてきた。

「えっ?やっぱり吉永のこと…」

「しーっ!」

私は慌てて、和香の言葉を遮った。


悠希はいつものようにどこかに行ってしまったけど、教室は他のクラスメートもいる。


周りに聞かれたくない。

知られたくない。


「で、どうなのよ?」

美帆が小声でまた聞いてきた。


「どうって…意識し過ぎて…授業に集中出来ないよ…」

「アハハ~」

何で笑うの?


「がんばれ、がんばれ」


3人に応援されたけど、何を頑張るんだ…