今回の席替えで、私たちは廊下側の席になった。


悠希がいつも見ている空が少し遠くに見える。

前のように空を見ることが出来なくなって、どこを見るのだろう…。


翌日からの授業…空を見れない悠希は教科書とノートは開かないけど、前を向いて授業を聞いていた。

でも

時々、視線を感じて横を向くと、頬杖ついて私を見ていた。


何で、こっち見てるの?

前向いて?

緊張するから。


しばらくこっちを向いてるから、堪えきれなくなった私はノートの端を見せた。


‘何で見てるの?前向いてよ’


私のシャーペンを取り上げて、横に書いた。


‘朋花がかわいいなと思って’


ボッ!

火がついたように顔が熱くなった。


何てことを書くんだ…。