「ねぇ、真白くん」

彼女の声が聞こえる。

「…何ですか、先輩」

雨の音が、ささやかに何かを奏でる。

「二人だけのときは、桜…でしょう?」

「……」

「……」

「……あーー。…次の台詞、なんでしたっけ」

「、ばかーーー!」

思わず耳を塞ぐ。