*** あれから二年という月日が過ぎ、 今日から僕は秀清高校の二年生になる。 秀清高校は、羽鳥の通っていた高校でもあり、僕の知らない羽鳥の思い出がたくさんある場所でもある。 この門を羽鳥が毎朝通ったのかと思うと、涙腺が少し緩む。 「羽鳥。僕はもう、羽鳥よりも長くこの高校に通って、羽鳥よりも長く生きていますよ」 ――止まった時の中で、 彼はいつまでも静かに微笑するのだろう。 誰かの、記憶の中で。 ≪end≫