苦しくて、苦しくて。 狂おしいほどまでに、無気力が僕を支配する。 僕のすべてを引き換えにしても 彼だけは守りたいと願い、 想ってきたのに。 手に、入れたのに。 「どうして?」 黒に縁取られた額の中で、 彼は音もなく静かに笑っていた。