イツキ君は、あたしを小6の学芸会からずっと"アリス"と呼ぶ。 「あ、教科書忘れた時はよろしく」 「うん」 高校に入って、イツキ君と話したのは、何度目だろう。 たぶん、指で数えられるほど・・・ 「イーツキ君」 「おぅ、白石」 夏実・・・ 「あーあ。もうイツキ君と隣じゃなくなっちゃった」 「だな」 そうだよね。 夏実、イツキ君のこと好きなんだもんね。 あたしとイツキ君が話してたら、 ・・・邪魔してくるよね。