夏が過ぎて、秋になる。 夏服にサヨナラを告げ、ブレザーに袖を通す。 「おい、ねーちゃん。さっさと食えし」 「うるさいねー。アンタが食べるの早すぎなんだよ」 朝から隣でうるさいのは、 私の弟の有明 湊<アリアケ ミナト>。 1つ下の高校一年生。 学校は違うけど、あたしの高校の隣にある華星学院に通ってる。 生意気にも、モテる。 「ほら、遅刻すんぞ」 お母さんの命令で、朝は一緒に行くことになっている。