「イーツキ君」

夏実は教室に戻ってきたイツキ君を見つけて、駆けていった。
・・・あたしの存在を忘れて。



「ねぇねぇ、イツキ君ってどんな子がタイプなの?」


お馴染みの、夏実の質問攻め。


「俺は「あ、俺は夏実がタイプ。てか愛してるー」


イツキ君の言葉を遮って、夏実に堂々と告白したのは・・・

夏実の幼なじみの、藤堂遥都。

だから、あたしは遥都と中学が同じだった。

遥都は夏実一筋なのに・・・


一切、振り向かない。