要side


バカか、俺は。


何よりも大切ななぎさを自分で傷つけた。
今にも泣き出しそうな顔だった…。




「立石くぅ~ん、まだあの子と別れてなかったの?

早く別れてあたしと付き合おうよぉ。」



ベタベタ腕にまとわりついてくるこの女…吐き気がする。


部活の空気を悪くしないために強く言えなかったが…。



もう限界だ。

なんでこんなやつのためになぎさを失わなければいけない。



初めてなんだ。


野球よりも大切だと思えたのは。




悲しい目をするあいつを助けてやりたかった。

守ってやりたかったのに…。



傷つけた。

バカみたいな体裁のために。


今日は部活の行事の買い出しだけだった。

だけど急にアイス食べようとか言いだして…

仕方なく付き合った。


なぎさが知ったらどんな気持ちになるかも考えず…。