……やっぱ無理があります、総長!
敵対するチームの奴らに囲まれながら、今更ながらに俺は後悔の涙を流していた。
すっぽり被った、顔を覆うフードに感謝だ。
どうしてこんな状況に陥っているのかと言うと、それは数時間前に遡る。
俺、二枝 タケルはいわゆる不良に分類される人種だ。
個人では別に暴れたいとかそんな事は無いけれど、
近所に住む年上の幼馴染に付き合っていたらいつの間にかこうなっていた。
因みに彼はすでにチームを抜けて無事就職も果たしている。
それなりに楽しいし、まあいいかなって思ってた。
……今日までは。
唐突だけれど、俺の属するチームの総長は、とてもカッコいい人だ。
精悍な顔立ちな上に、中身まで男前だ。
中学の頃から付き合っているという彼女さんが居て、俺らよりもそっちを優先する事が多々ある程の愛妻家。
そんな所も俺は好きだ。
真摯に愛するのも愛されるのも、どちらも素直に羨ましいと憧れる。
そんな彼女さんに、ピンチが訪れた。
たまり場に、相手は狙っていたんだろうけど、よりによって人数の少ない時。
しかも俺をはじめとする、戦闘力のひっくいメンバーしか居ない時に、アイツらはやってきた。
敵対するチームの、幹部連中+αが。