屋上へとつながる階段をひたすら駆け下りる。 弱い私は、言い逃げることしかできなかった。 明日には、彼の中で消されてしまうかもしれないけど。 それでも、あたしの中には残り続ける。 この想いも、傷も、あの温もりも、唇の感触も。 一階にたどり着いて、私は息を整えた。 そして、気づいたときには、後ろから腕を掴まれていた。 「はえーよ、バカ」