薄暗い空。

部活に打ち込む生徒の声がする。



先に沈黙を破ったのは、


「…俺のせいだよな」


司馬だった。


珍しくちょっと力のない、それでもはっきりとした声が耳に届いた。


「なんのこと?」


知らないふりをしてみる。
司馬が何を言いたいか、なんとなく分かってしまったから。



「麻姫とお前、どうみてもおかしいだろ」


さっきまで背中を向けていたあいつがこっちを振り返る。

その目は真っ直ぐにあたしを見ていた。



「…ちょっとケンカしただけ」